6/23林芙美子作品「花のいのちはみじかくて」新曲披露
2019/07/11 コメント (0)
この日は、新曲を披露するご縁に恵まれました。
代表作「放浪記」の作家・林芙美子さんの詩に曲をつけ歌ってほしいというご依頼でした。
北九州市門司区生まれとされる林芙美子さん。
林芙美子さんは明治36年生まれ。
何を隠そう、金子みすゞさんも明治36年生まれ。
ベルミューズメールマガジンでは既に詳しくご紹介したので、
読んで下さった方々もいらっしゃると思いますがヽ(^o^)丿
下関市でも暮らしていたことがある林芙美子さん。
そう、みすゞさんとは接点がいくつかあったのです!
みすゞさんの弟さんはみすゞさんの2歳下で、
養子として下関市の上山文英堂を営むみすゞさんの親戚の家に住んでいましたが、
その上山文英堂は、林芙美子さんの家の隣の地区。
なので、もしかすると弟さんと林芙美子さんは出会っていたかもしれない、
なんて想像すると、ワクワクします♪
さて、深読みはこのくらいにして、、、
23日は北九州市門司区の小森江西市民センターで「第38回林芙美子忌の集い」が行われました。
例年より多くの方々がご来場されたとのことです♪
関係者の方々のご挨拶の後にミニコンサート。
ちょっと林芙美子さんのヘアスタイルに似せてみようとセットしていくと、
あまりにもソックリでビックリしました(笑)
これまでにも歌われてきた「芙美子抄」の歌から始まり、
今回の新曲を披露。
この新曲というのは、
林芙美子さん自身がとても好きだったご自身の詩なのですが、
「花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき」
という一部分の言葉をご本人がよく書いていたことから、
てっきり、この言葉だけかと思われていましたが、
実は、交流の深かった翻訳家・村岡花子さん(代表作・赤毛のアン)の書斎に
この言葉の全文の書が見つかるのです。
==================
風も吹くなり
雲も光るなり
生きてゐる幸福(しあわせ)は
波間の鷗のごとく
漂渺とただよい
生きてゐる幸福(こうふく)は
あなたも知ってゐる
私もよく知ってゐる
花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり
=================
これまでの一部分の印象はつらい思いを詠ったものだと思っていましたが、
全く意味合いが違います。
希望があるのです。
最初、この詩に作曲し歌ってほしいと言われた時は、
その悲しい気持ちを歌うのはどうだろうか、、、と思いましたが、
全文をご紹介いただいた瞬間に、
これは素敵な歌になる!
と、正に言葉が光り、歌うイメージが一気に湧きました。
北九州の門司港はジャズが盛んな街。
そして林芙美子さんは波乱万丈の人生の中で強く生きた女性。
ジャズテイストで切なさの中にも強さがある雰囲気がぴったり。
そんなアレンジで仕上がり、
初披露した今回、聴いてくださる方の足がリズムをとってくださっていたり、
大好評でした!
CDが欲しいというお声が既に挙がったので、
今後作成に動きたいと思っています。
そして、門司港の方が作詞し私が作曲した「門司港レトロ酒」、
リクエストをいただいた私のオリジナルソング
「南十字星煌く空の下に」、そして
金子みすゞさんの「私と小鳥と鈴と」を歌い、
最後は、林芙美子さんが大好きだった歌「旅愁」を皆様と一緒に歌いました。
このまま終わり、次のアトラクションへ移ると思っていましたら、
アンコールをいただきました!
「時代」を歌い、林芙美子さんの思いも
時代を超えて生き続けている、そんな気持ちでした。
そして地元の「羽山太鼓」の演奏、
そしてその後は門司港名物「バナナの叩き売り」が!
軽快なリズムでどんどん進んでいきますが、
最初は1000円だったでしょうか、誰も買いには行きません(笑)
そして750円、500円と安くなっていくと、
1人、2人と買いに行きます。
私も500円で(^^)/
「ちひろさん、早いよ!(笑)」と、
500円で2房いただきました!
そして、どんどん進み、
「100円!」となった時、
皆さんが駆けよります。
さすが地元の方々。
皆さん、もうバナナの叩き売りのシナリオはご存知(笑)
こうして、とても盛り上がった集いになりました。
最後は献花。
38年も続くこの集い、
きっと林芙美子さんも微笑んでおられることと思います。
そして、午前中の会でしたので、
主催者の方と、旧門司三井倶楽部のレストランで昼食をいただきました。
よくコンサートもさせていただくこの建物。大好きです。
この2階に、林芙美子さんの資料室があります。
ぜひ、訪れてみてください♪
今年のみすゞさんのご命日と同じ日3月10日にリニューアルされた門司港駅。
やはり、とても素敵です。
北九州市の歴史、文化に触れた一日でした。
とても有難いご縁に感謝です。